「うちの子、最近“文章が頭に入らない”と言う」
「スマホは見ているのに、本は開かない」
中高生の保護者の方と話していると、こうした声をよく聞きます。

最近面白い本を読みました。『読書する脳』というタイトルです。

著者である脳科学者の毛内拡さんは、まさにこの“現代の読みづらさ”を出発点に、読書が脳にもたらす力を、できるだけ誠実に言語化しようとしている人です。本の中でも、情報過多とデジタル化で疲れやすい脳に対して、読書がどう働くのかを、科学の側から説明しています。

ここでは毛内さんの発信(=「脳の仕組み」から読書を捉える視点)を軸に、保護者が“家庭でできる関わり”まで落とし込み、最後に「岐阜開成学院でどう実践できるか」まで具体化します。

読書は「情報」ではなく「地形」として記憶される

毛内さんが繰り返し示唆している重要点の一つが、紙の本を読むとき、脳は文章を“場所”と結びつけて覚えるという視点です(ページの右側だった/この辺の厚みだった、など)。これは読後の「探しやすさ」「思い出しやすさ」に直結します。

この感覚は研究でも裏づけがあり、紙で読んだ群のほうが理解度テストで高得点だったという報告があります。
さらに「認知地図(cognitive map)」という仕組みが、読解の差に関わる可能性も検証されています。

保護者としての要点

●「電子か紙か」は思想ではなく、目的で使い分けることが現実的

●定期テスト前や、長文・評論など“深く理解したい文章”ほど、紙(または紙に近い読み方)が有利になりやすい

スマホは脳を“浅く速く”働かせ、読書は“遅く深く”働かせる

毛内さんの問題意識は、「読書が良い」以前に、スマホ的な情報摂取が、脳を常に“速い処理”に寄せてしまう点にあります。『読書する脳』の紹介文でも、「集中が続かない」「脳が疲れている気がする」といった現代的な症状を入口にしています。

ここで保護者が誤解しやすいのは、子どもを見て「意志が弱い」と結論してしまうこと。実際には、環境が脳のモードを変えます。読書は、批判的思考や共感、熟考に必要な“深い読解(deep reading)”の回路を守る営みだ、という議論もあります。

脳科学では、場所も重要とされています。”読書をするための場所”を工夫するのも有効だと思います。

保護者としての要点

●読めないのは性格ではなく、脳の“モード”の問題であることが多い

●だからこそ家庭では「根性」より、“読める条件”を先に整える

読書は学力だけでなく、「社会性」と「学び続ける力」を底上げする

読書の効用は、国語の点数に閉じません。OECDも、楽しみのために読む生徒ほど学習者として効果的で、学校の成績にもつながりやすいという趣旨の整理をしています。

また、文学的フィクションを読むことが、他者理解(Theory of Mind)課題の成績と関連したという有名な研究もあります(解釈には慎重さが必要ですが、「物語が社会的認知に触れる」方向性は示唆的です)。

保護者としての要点

●読書は「勉強」ではなく、他者と社会を理解する練にもなる

●中高生期は、語彙や論理だけでなく、心の言語化が伸びる時期

「6分でストレスが68%減る」はどう受け取ればいいか

ネットでよく見る「読書は6分でストレスを68%下げる」という話。これは主に報道・紹介記事ベースで広まりましたが、元データの公開性が限定的で、数字の扱いには注意が必要だという指摘もあります。

ただ、“数字はさておき、読書が落ち着きを取り戻す行為になり得る”という感覚は、保護者として大事にしてよいと思います。毛内さん自身も「脳が疲れている時代」に読書を位置づけています。

保護者としての要点

強い数字で子どもを説得しない(反発が起きやすい)

●代わりに、「読書は脳の休憩になることがある」くらいの温度で提案する

家庭でできる、いちばん現実的な“読書の増やし方”

毛内さんの本では「快読・精読・音読」など、読み方の使い分けも論点になっています。
家庭では、これを“指導”にせず、次の3点だけに絞ると失敗しにくいです。

①「紙に触れる読書」を週に数回でいいから作る

毎日でなくていい。週2〜3回、15分で十分“回路”が戻り始めます。

② 読ませるより、会話にする(内容の正解を求めない)

「どういう話?」ではなく、

  • 「どこが引っかかった?」
  • 「なんか嫌だった/良かったところある?」
    こういう問いのほうが、中高生は話しやすいです。

③ “読み終えない時間”を肯定する

途中で閉じてもいい。むしろ「気になる」が残ること自体が、思考を熟成するチャンスになります。

岐阜開成学院なら、「読書が続く条件」を学校の中でつくれます

ここまでの話をまとめると、読書は才能ではなく、環境と関わり方で“脳のモード”が変わる営みです。つまり鍵は、「読書をやれ」と言うことではなく、読める条件を一緒に用意することです。

岐阜開成学院では、その条件を学校の学びとして次のように組み立てられます。

少人数・対話型の授業で、文章を“解く”前に「引っかかり」を言葉にする

●読みっぱなしにせず、話す・書く(表現)につなげて記憶を定着させる

●“読むのが苦手”な生徒には、難易度と分量を調整し、小さな成功体験から積む

●進学を目指す生徒には、評論・小論文の土台として、精読の型を身につけ

保護者の方がもし今、
「この子には“勉強”以前に、落ち着いて文章と向き合う時間が必要かもしれない」
そう感じているなら、岐阜開成学院の個別相談で、いまの状況をそのまま話してください。

読書は、学力の道具である前に、自分の頭と心を取り戻す技術です。
その入口を、家庭だけに背負わせず、学校と一緒につくっていきませんか。

体験授業+個別相談(オープンキャンパス)について

岐阜開成学院.のオープンキャンパスは、体験授業と個別相談を組み合わせています。
体験授業(5月~12月に実施)では「少人数・対話型」の学びを実際に体験でき、個別相談(毎月の相談会および希望者には随時実施)では「うちの場合」を具体的に整理していけます。

「まずは話だけでも聞いてみたい」でも大丈夫です。
不安がある状態のまま、一緒に“舵”を整えていきましょう。

お問い合わせはこちら

お問い合わせフォームより、現在の状況(差し支えない範囲で)をご記入ください。
こちらから、無理のない形でご案内します。

参考文献・参考リンク