「うちの子、学校に行けなくなってしまった」
その瞬間から、保護者の頭の中は“現実的な心配”でいっぱいになります。
- 進級できるのか
- 高卒資格は取れるのか
- 大学や専門学校に行けるのか
- 将来、食べていけるのか
そして、検索すればするほど、魅力的に見える言葉が並びます。
「最短」「ラク」「自由」「出席ほぼ不要」「自分のペースで」——。
もちろん、柔軟さは大切です。体調やメンタルの波がある時期、無理に“毎日”を求めない設計は、子どもを救います。
ただ一方で、ここ数年、通信制高校や周辺サービスの拡大に伴い、「学び」よりも「資格」だけを前面に出す売り方や、学習の実態が見えにくい運用への懸念も行政側から繰り返し示されています。文部科学省は通信教育の質の確保・向上のためのガイドライン整備や、広域通信制高校の運営実態の調査・対応を行っています。
今日の記事は、特定の学校を名指しで批判するものではありません。
しかし、保護者が「選び方」を間違えると、子どもが“あとで取り返しのつかない不利”を抱えかねない——その現実を、少し厳しめに、でも冷静に言葉にします。
テーマはシンプルです。
「努力をしないで学歴“だけ”を取りにいく道」と、
「見守られながら、正当な努力を積み上げていく道」は、
似ているようで、将来の効き方がまったく違う。
その理由を、データと研究を手がかりに、保護者目線で解きほぐします。
目次
「学歴」は大事。でも「学歴“だけ”」は、人生の保険にならない
まず前提として、学歴は大事です。
日本の社会は今も、入口で学歴を参照する場面が多い。就職、進学、資格、時に住まいの審査にまで影響します。
ただし、ここで言いたいのは、学歴が無意味だという話ではありません。
学歴が“効く”ためには、その裏側に「本人の成長」と「再現できる力」が必要だ、ということです。
たとえば、履歴書に「高卒」と書けても、
- 文章を読み取る力が弱い
- 期限を守る感覚が育っていない
- 人に助けを求めるタイミングが分からない
- 小さな負荷に耐える経験がない
こうした状態のまま社会に出ると、次の段差でつまずきやすい。
そして厄介なのは、つまずいたときに周囲(職場・学校)がこう言いがちなことです。
「高卒なんだから、最低限できると思った」
つまり、“資格を取ったこと”が、かえって期待値を上げてしまう。
子どもに必要なのは、“帳尻合わせの卒業”ではなく、次の場所で踏ん張れる土台です。
不登校は「怠け」ではない。でも「回復の道筋」は設計できる
不登校の背景は多様です。
いまは不登校の児童生徒数が過去最多水準で推移しており、もはや「珍しいこと」ではありません。
だからこそ重要なのは、原因探しで子どもを追い詰めることではなく、回復に必要な条件を整えることです。
回復は、根性論で一気に起きません。
多くの場合、必要なのは次の3点です。
- 安心(否定されない/比較されない/休んでも関係が切れない)
- 小さな負荷(少しだけ頑張る練習ができる)
- 振り返り(できたことを言葉にして自分の力として受け取る)
ここで、進路選択が分岐します。
- 「負荷ゼロ」を売りにする環境
- 「小さな負荷」を設計してくれる環境
一見、前者は“優しい”。でも長期的には、後者のほうが圧倒的に優しいことが多い。
なぜなら、人生はこの先ずっと「少しの負荷」が続くからです。
“正当な努力”が人生に効く理由(研究が示すこと)
「努力は報われる」
この言い方は雑で、嫌われがちです。実際、努力しても報われないことはあります。
ただ、研究が比較的一貫して示しているのは、こういうことです。
学力テストに出にくい力(自己コントロール、粘り強さ、計画性など)が、健康・収入・生活の安定にまで影響する。
たとえば、子どもの頃の自己コントロールが、大人になってからの健康・経済・犯罪リスクなどと関連していた、という大規模追跡研究が報告されています。
また、テストでは測りにくい「ソフトスキル(非認知的スキル)」が人生の成果を強く予測し、教育や支援の中で育てられる可能性が論じられています。
ここで言う“正当な努力”とは、才能勝負の努力ではありません。
もっと生活に近い努力です。
- 今日は10分だけ机に向かう
- 分からないところを質問する
- 期限までに提出する
- 失敗しても立て直す
- 他者と最低限の約束を守る
この「小さな努力の反復」が、自己効力感(自分はやれる)を作り、次の挑戦を可能にします。
逆に言うと、
“努力をしなくて済む環境”は、努力の筋肉が育たない。
短期的にはラク。
でも、人生のどこかで必ず訪れる「逃げられない場面」で、折れやすくなります。
「ぬるい場所」が抱えるリスクは、“今”より“次”で表面化する
ここでいう「ぬるい場所」とは、休息や配慮がある場所のことではありません。
そうではなく、
- 学習の実態が見えない
- 目標設定がない
- つまずいた時の介入がない
- 本人が“何も変わらないまま”時間だけが過ぎる
こうした状態を指します。
このタイプの環境が怖いのは、その場にいる間、問題が見えにくいことです。
保護者もこう思ってしまう。
「とりあえず在籍できている」
「卒業できそう」
「前より元気そう」
もちろん、元気が戻るのは良いことです。
でも、次のステージ(大学・専門・就職)に移った瞬間、現実が始まります。
- 出席や提出の自己管理
- 対人関係の摩擦
- 評価される経験
- うまくいかない時の耐久
ここで必要になるのが、“努力の経験”です。
経験がないと、本人の中に「立て直しの手順」がありません。
つまり、リスクは「卒業できるか」ではなく、
卒業後に“続けられるか”に出ます。
不登校の子に必要なのは「管理」ではなく「伴走」と「構造」
誤解してほしくないのは、
「厳しくしろ」「甘やかすな」という話ではないことです。
不登校の回復期に必要なのは、管理ではなく伴走です。
そして伴走には、“構造”が要ります。
構造とは、具体的にはこういうものです。
- 目標が小さく設定されている
- やることが具体的で、今日から始められる
- できたことを言葉にして積み上げられる
- つまずいたら一緒に作戦を変えられる
- 大人が「見ている」だけでなく「関わる」
この構造があると、子どもは努力を“自分のもの”として取り戻しやすい。
努力が「苦行」ではなく、「自分の未来に効く手応え」になるからです。
保護者ができる「通信制高校・サポート校」選びの質問リスト
ここは実務パートです。
見学・相談の場で、ぜひ聞いてください。パンフが綺麗かどうかより、ここが本質です。
A. 学習の実態が見えるか
- 週あたりの学習時間は、平均どれくらいか
- レポートの質はどう担保しているか(添削の頻度・基準)
- スクーリングはどの程度あるか/何をしているか
※文科省も通信教育の質確保に関するガイドラインを示しています。学校側がそれをどう運用しているかは重要です。
B. 「つまずき」への支援があるか
・提出が遅れた子への介入はどうするか
・メンタル不調の波が来た時、学習計画はどう組み直すか
・相談先(担任・カウンセリング等)は機能しているか
C. 卒業後の支援が具体か
・進学・就職の実績は“数字の根拠”があるか
・面接練習・志望理由書・学び直しはどこまでやるか
・途中で進路変更が起きた時の再設計があるか
D. 何を「売り」にしているか
- 「ラク」「最短」だけが前面に出ていないか
- 子どもが“誇れる経験”を作る設計になっているか
この質問に、学校側が具体で答えられるかどうか。
ここで、かなり見えてきます。
「正当な努力」を取り戻した子は、顔つきが変わる
最後に、現場でよく見る変化を言葉にします。
不登校の子が回復する時、劇的な出来事が起きるわけではありません。
でも、ある日ふと、顔つきが変わります。
- 朝起きられた
- 10分できた
- 先生に質問できた
- 提出できた
- 人と話せた
- また来られた
この「小さな成功体験」が重なった子は、
“自信”より先に、“胸を張れる感じ”を取り戻します。
これが大事です。
胸を張れる感じは、次の環境で踏ん張る力になるから。
岐阜開成学院.でできること(具体的なイメージ)
岐阜開成学院.(つくば開成高等学校 学習等支援施設 岐阜キャンパス)が大切にしているのは、まさにここで述べた 「見守り+構造」です。
- 少人数で、学習の実態が見える
- 対話を通して、つまずきの原因を一緒に整理できる
- “やらされる”ではなく、“自分の言葉で目標を持つ”ところから始められる
- 学び直しが必要な子には、基礎から段階的に積み直せる
- 進路は、数字や制度だけでなく「本人の回復の段階」に合わせて設計する
不登校の子に必要なのは、立派なスローガンではなく、
「明日、何をするか」まで一緒に決められる場所です。
もし今、保護者の中に
- このまま“時間だけが過ぎる”のが怖い
- でも、急に厳しくするのも違う気がする
- 子どもが胸を張って卒業できる道を探したい
そう感じているなら、まずは一度、見学で空気を見てください。
パンフでは伝わらないのは、
「大人がどう関わっているか」
「子どもがどんな表情で過ごしているか」
この2つです。
“ぬるい場所”か、“あたたかく見守られた努力の場所”か。
違いは、現場に行くと一発で分かります。
あなたとお子さんにとって、次の一歩が「取り繕う卒業」ではなく、
胸を張って羽ばたく準備になることを願っています。
(見学・個別相談は、公式サイトのお問い合わせフォーム/お電話からご連絡ください。)
