調理実習のテーマは「食養生」。アレルギーがあっても、全員で作る

調理実習で分担して料理を進める生徒たち

岐阜開成学院.の家庭科の調理実習には、テーマがあります。「食養生(しょくようじょう)」です。

旬の食材で和食を中心に作り、食べて、体を整える。月に1回の実習は、家庭科を履修していない生徒も参加できる人気の講座です。

食養生とは、季節に合った食材で体を整えること

食養生は、季節や体の状態に合わせて食べるものを選び、体の調子を整える考え方です。

実習の前に、先生の手書きのプリントで「食材の働き」を学びます。その食材は体を温めるのか、冷ますのか。その季節には、どんな不調が起きやすいのか。

9月の調理実習で使った手書きのプリント「夏の暑さを乗り切るシャキシャキ生春巻き」
月テーマと献立
9月夏の養生:体にこもった熱を冷ます
冬瓜とツナのスープ/シャキシャキ生春巻き(手作りの焼豚・梅白ごまだれ)
10月秋の養生:乾燥から体を守り、胃腸を養う
鮭とさつまいもの炊き込みご飯/鶏肉とれんこんの甘辛炒め/デザートに梨

「実習のあと、しばらく体の調子がいい」。そんな感想を話してくれる生徒もいます。

10月の炊き込みご飯は、鮭を切り身のまま炊飯器に入れて炊きました。生徒たちにとって、インパクトのある一品になりました。

炊飯器の中で、さつまいもと切り身の鮭をのせて炊きあがったご飯
鮭とさつまいもの炊き込みご飯と、鶏肉とれんこんの甘辛炒め
ボリュームも食べ応えも大満足

アレルギーがあっても、全員で作る

参加する生徒の中には、小麦・卵・乳製品など、いくつものアレルギーを持つ生徒がいます。

先生は、参加する全員が食べられるように、知恵をしぼって献立を考えます。我慢させず、全員で作って、同じものを食べる。そこに、この実習の意味があります。

アレルギーの有無と内容は、入学手続きのときに必ず書面で確認しています。

調理台ごとに分かれて、10月の献立を作る生徒たち

先輩から受け継いだ、手際のよさ

もうひとつの自慢は、生徒たちの手際です。

切る、煮る、巻く、盛りつける、取り分ける、片づける。和気あいあいと声をかけ合いながら、手はてきぱきと動きます。後輩は先輩の動きを見て覚え、それがいつのまにか伝統になりました。この手際の良さは、他校で調理実習を担当したことのある先生も驚くほどです。

れんこんを薄く切る生徒。手前のバットには鮭の切り身
すり鉢でごまをすって、梅白ごまだれを作る生徒

月に1回。家庭科を履修していなくても参加できます

調理実習は月に1回開いています。家庭科の授業ですが、どのコースの在校生も参加でき、家庭科を履修していない生徒も参加できます。

12月は、おせちを何品か作ります。品は、参加する生徒のアレルギーに当たらないものを選びます。

外食の値段が上がっている今、目にも体にもおいしく、量もしっかりある食事を自分たちで作って食べられるのも、この実習の魅力です。

冬瓜とツナのスープと生春巻き

ヨガも調理実習も、心身を整えるため

食べるものと体は、どうつながっているのか。季節に合った食べ物をとるのは、なぜなのか。調理実習は、それを考える機会になります。

岐阜開成学院.には、自分の体調を見つめることに意味を感じている生徒が多くいます。ホームルームのヨガも、この調理実習も、ねらいは「心身を整える」こと。心身の健康あってこそ、勉強や趣味に打ち込めるというものです。岐阜開成学院.が大切にしていることです。

調理台のまわりで笑顔を見せる生徒たち

ただ作業として調理をするのではなく、食を通して様々なことを学び、仲間と楽しい時間を過ごし、健康になる。それが岐阜開成学院.の調理実習です。

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この記事を書いた人

山本 卓司(岐阜開成学院. 代表)

通信制高校の教員歴27年(うち岐阜で15年)。他校の学習センター長を経て、つくば開成高等学校 岐阜学習センター長。2016年に岐阜開成学院.を設立。国語・進路指導担当。12時間で共通テスト現代文8割を目指す授業を行う。対話の研究をライフワークとし、Person-Centered Approach と対話実践に取り組む。一般社団法人ナラティヴ・ラボ 代表理事。